ほっとひといき、紅茶とエッセイのススメ
エッセイが好きだ。小説家は知識量やモノの見方が優れているので、そんな小説家の書くエッセイが面白くないわけがない。「今日は小説を読む気分じゃないんだけど、活字に触れていたな~」という時がたまにあります。そんなとき私は、エッセイを読む。
続きを読む中村文則『土の中の子供』
あらすじ
27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。理不尽に引きこまれる被虐体験に、生との健全な距離を見失った「私」は、自身の半生を呪い持てあましながらも、暴力に乱された精神の暗部にかすかな生の核心をさぐる。人間の業と希望を正面から追求し、賞賛を集めた新世代の芥川賞受賞作。著者初の短篇「蜘蛛の声」を併録。
中村文則『何もかも憂鬱な夜に』少年犯罪と死刑制度
あらすじ
施設で育った刑務官の「僕」は、夫婦を刺殺した二十歳の未決囚・山井を担当している。一週間後に迫る控訴期限が切れれば死刑が確定するが、山井はまだ語らない何かを隠している―。どこか自分に似た山井と接する中で、「僕」が抱える、自殺した友人の記憶、大切な恩師とのやりとり、自分の中の混沌が描き出される。芥川賞作家が重大犯罪と死刑制度、生と死、そして希望と真摯に向き合った長編小説。
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